みなさんこんにちは。看マジョ編集部のフクヤマ ミホです。
今日は、看護師さんが面接を受ける時の7つのポイントについてお話しします!
「受ければきっと採用されるだろう」
・・・あなたはこんな油断をしていませんか?
看護師は売り手市場(看護師不足で、どの病院も看護師を欲しがっている)と言われていますが、こんな油断をしていていいのでしょうか?
実際、書類選考が通ったのちに面接で落とされる看護師が全体の12%に上るという報告もあります。
準備不足のまま面接に臨むと、あっけなく落とされてしまう可能性も。
面接は、看護師側の視点ではなく『採用者側(病院側)の視点』で考えることが肝心。
面接官の質問の意図を知れば、自然と適切な答え方も見えてきます。
今日は、あなたが面接を受ける前に絶対知っておいてほしい“7つのポイント”についてお伝えします!
ポイント1 面接の目的を知る
そもそも面接は何のためにするのでしょうか?
書類選考だけではダメなのでしょうか?
まずは面接の目的をしっかりと認識しましょう。
1.会ってみないと分からないあなたの特性を知る。
面接とは、face to faceによる対話や質疑応答を通して、書類上ではわからないあなたの「特性」を把握することが目的です。
話し方、表情、雰囲気などから、あなたという人間性を知ることができます。
2.採用するにふさわしい人物かどうかを判定する
自院の看護師として必要な能力、知識、スキル、適性などを備えているか、または自院にふさわしい人柄・性格かどうかを判定します。
3.書類上での不明な点、掘り下げたい点などを再確認する
履歴書や職務経歴書で一定の情報は得られますが、それだけでは不足している情報も当然ながらあります。面接では、そんなポイントを掘り下げて聞き取ります。
4.採用条件や労働条件などについて正しい情報を伝え、相互理解を得る
誤解や思い込みによる入職後のミスマッチを起こさないため、採用条件や労働条件の「確認」や「すり合わせ」を行います。
ポイント2 面接官が知りたいこと
面接を通して採用者側が知りたいことは以下の4つです。
- あなたの人間性や人柄、志向、性格
- 過去の経験やそこから学んだこと、得たこと
- これからやりたいこと、目標、キャリアプラン
- 労働のための基本的条件(健康、体力、精神力、家庭環境など)
など
ポイント3 よくある質問と質問の意図、答え方
Q.なぜ、看護師を目指そうと思いましたか?
あなたの人間性や性格、志向を知りたいという意図があります。
どこかの教科書にのっているような「医療の発展に寄与したいと思い」などと言っても、信ぴょう性がなく面接官の心に響きません。
実は、もっと個人的な理由の方がベストなんです。
たとえば「小さい頃に入院し、看護師さんに優しくしてもらった」「ドラマや漫画がきっかけ」「母が看護師をしている」など。
飾らないあなたの気持ちを素直に話しましょう!
Q.あなたはどんな看護師になりたいですか?あなたの看護観は?
「看護観」と言われても難しく考える必要はありません。
この場合、あなたがどんな看護師になりたいかを話せばOKです。
たとえば「患者さんの心に寄り添える暖かい看護師になりたい」「知識や技術を磨き、患者さんに安心、安全な看護を提供したい」などです。
また、なぜそう思うのか?という理由もあわせて話すことが大事です。
Q,転職した理由は?
結婚や出産、転勤など、ライフステージの変化が理由であれば、入職後に短期間で辞めてしまう可能性はないのか?長期で仕事ができるのか?を確認します。
または、人間関係や仕事量、配属先などが理由であれば、自院の雰囲気に馴染むことができるのか?どこに配属するのがベストなのか?といった判断材料になります。
この場合、実際の転職理由が人間関係のトラブルや残業の多さなどの不満であったとしても、そんなマイナスの理由をそのまま話してはいけません。
「目指したい看護があった」「専門性を磨きたい」など、プラスの理由に切り替えて話しましょう。
Q.当院を志望した理由は?
この質問では、あなたが自院をどのような病院だと捉えているのかが分かります。
また、あなたがやりたいことや目標、これからのキャリアプランなどを確認する質問でもありす。
この質問には、きれいごとを並べるのは簡単。
だからこそ面接官は、上辺だけの回答でなく本音を聞き出すために「なぜそう思うのですか?どうして?」と深堀りし、それが本心からの言葉なのかを確かめます。
Q.今までの看護業務の経験や職務歴
過去に何科でどんな業務に携わったか?新人指導やリーダー業務の経験はあるか?といったことを質問し、あなたの能力や即戦力になるのかといったことを確認します。
また、今後の人員配置を考える材料にもなります。
経験豊富なスーパー看護師ぶりをアピールしたくなりますが、誇張した言い方は避けましょう。
入職後にすぐにバレるものです。
Q.お子さんはいますか?ご家族の協力は?
家庭の事情が仕事に影響を与える可能性を知るための質問です。
小さな子どもがいるから夜勤はできない、仕事も休みがち・・・という状況になるのであれば、採用側としては配置を考えるだけでなく、そもそも採用するか否かを検討しなければなりません。
「家族が協力的です」「近くに両親がすんでいる」「自治体のサポートに申し込んでいる」など、仕事に影響しない体制を敷く努力をしていることをアピールしましょう。
ポイント4 返事に困る質問><;。捉え方と回答の仕方
Q.インシデントの経験はありますか?
看護師の経験があれば、誰でも1度や2度はインシデントやヒヤリハットの経験があるものです。
この質問では、あなたがインシデントを起こしたか否かが重要なのではありません。
インシデントを起こした後に、どういう対応をして、そこから何を学んだのかを知りたいのです。
回答するときにはただインシデントの内容を話すだけでなく、事故を予防するために現在も注意していることあわせて答えるようにしましょう。
ここで「インシデントの経験はありません」と答えると、隠し事をする不正直な人という印象を与えてしまいます。
ちょっとしたヒヤリハットでもいいので、何か一つは経験したことを伝えましょう。
Q.これまでの人生で挫折したことは?
「挫折」や「失敗」という出来事も、人の本質が見えてくるポイントです。
あなたがどんなことを「挫折」だと感じているのか?
そして、挫折や失敗をした時、それにどう向き合って乗り越えていったのかを聞くことで、あなたの主体性や問題解決能力、適正やストレス耐性などを知ろうとしているのです。
ポイント5「最後に質問はありますか?」ときかれたら
たいてい、面接のさいごに「何か質問はありますか?」と聞かれるものです。
その際に「いえ、特にありません」と質問しないまま終わってしまうことは避けましょう。
積極性や主体性がない印象が残ってしまいます。
小さなことでもいいので必ず一つは質問するようにしましょう。
積極的に質問したほうがいい内容
- 病院として、積極的に取り組んでいる活動
- 看護師や看護助手などスタッフの雰囲気
- 看護研究や勉強会などの活動状況
など、仕事の内容に関するものです。
自分は入職後に色々なことに関わっていきたいという積極的をアピールしながら話すと、好印象です。
質問しないほうがいい内容
- 給与や待遇などの条件
- 残業量
面接の場で上記の質問すると、仕事の目的はお金だけで、仕方なく仕事をしているという印象を持たれます。
そういった条件に関しては、ハローワークや看護師転職サイトなどのエージェントを通して確認してもらう方がいいですね。
ポイント6 面接のコツ
①質問には結論から答える。
面接官は質疑応答の過程で、あなたの頭の回転やコミュニケーション能力もみており、質問に対する回答が回りくどい、要点がわからない・・・といった状態では減点ポイントになります。
質問に対する回答は、まず簡潔に結論から答えましょう。
まずは「結論」。その後に「理由」と「背景」と続き、最後に「具体例」も添えるという流れをつかみましょう。
②あえてプレッシャーをかけられていることを知る
面接官は、あえて少し答えにくい質問をして、あなたにプレッシャーをかけてみることがあります。
例えば「転職回数が多い」「就職後1年程度で退職した経験がある」「長いブランクがある」などを話題にする時ですね。
その事実自体の良し悪しは、すでに書類選考の段階で判断が済んでいるのです。
面接の場でその話題に触れる理由は、その事実の良し悪しを判断したいからではなく、その質問をした時のあなたの反応や、しっかりと状況を説明できるか否かを確認し、プレッシャーへの耐性をみているのです。
③相手の病院の呼び方
相手の病院を表現する言葉として、履歴書などの書面上では“貴院(きいん)”と書きますよね。
それでは、面接の場など、口頭で言う場合はどう言えば良いのでしょうか・・・?
答えは、“御院(おんいん)”。
ただ、“御院(おんいん)”は形式ばった言い方になるのでちょっと・・・と感じる人は、“こちらの病院”という言い方でもOK。
自然な言い方になり、おすすめです!
ポイント7 看護師の面接のための服装・身だしなみ
服装
黒かグレーのスーツに白いシャツが基本。
または、シャツの代わりに無地で襟なしのインナーを着てもOK。
インナーのカラーは白かベージュなど、明るく落ち着いた色で。
アクセサリー
指輪は結婚指輪だけに。
ネックレスはシンプルで小ぶりなものであればOKです。
ピアスやイヤリング、ブレスレットは外していきましょう。
髪型
ロングヘアやセミロングなど、肩より下の長さがあれば、一つに結ぶか、アップヘアですっきりまとめましょう。
ヘアアクセサリーは目立たず小ぶりなものを1つ程度であればOK。
髪色には注意しましょう。明るめのヘアカラーはNGです。どうしても明るめの髪色を残したい人は、美容院で「就活中にふさわしい」ギリギリの色までトーンを落としてもらいましょう。
爪
清潔に短く切り、マニキュアは塗らないことが基本。
どうしてもマニキュアを塗りたいなら、クリア色やヌード色など自然で目立たないようにしましょう。
靴
黒かベージュのシンプルなパンプスを準備しましょう。ヒールは3~5cmぐらいが目安。
靴が汚れているのは絶対NG!
また、サイズが大きすぎるものは歩き方や音ですぐわかります。見苦しいのでやめましょう。
サンダルやミュールもNGです。
化粧
つけまつげやゴテゴテのアイメイクなど、厚化粧はNGです。
また、その逆のノーメイクもだめ。
面接では優しい色使いのナチュラルメイクが基本です。
香水も避けましょう。
さいごに
アメリカの心理学者アルバート・メラビアンは、1971年に著書の中で「メラビアンの法則」と呼ばれる法則を発表しました。
コミュニケーションを通して受け手に与えるインパクト=言葉による表現(言語)7%+声による表現(聴覚)38%+見た目による表現(視覚)55%
これは、コミュニケーションにおいて、受け手は言葉の内容そのものよりも、実はそれ以外の部分に多くの影響を受けているということを示しています。
その割合は、言語はわずか7%、聴覚は38%、視覚は55%であると述べています。
実のところ、採用面接の回答自体は大して重要ではないんです。
それよりも、あなたの表情や雰囲気、話し方など、非言語的コミュニケーションの方が重要。
そして、教科書的な回答ではなく、自分の言葉で、自分の考えをできるだけ具体的に話すことが大切です。
面接に備えて、自分の経験や強みをしっかりと整理し、正しく伝えるための準備をしておくことが大切なんですね。