その病院の「看護の質」を見分ける3つの基準とは?

あなたは『看護の質・レベル』について考えたことはありますか?
病院によって、提供している『看護の質・レベル』はさまざまです。
医療の進歩と同様に、看護も日々進歩するものですから、その進歩についていけないと、一体どうなるでしょう?
月日が経つにつれ、どんどん時代遅れな、質の悪い看護になってしまうことがわかるはずです。
看護師の仕事に誇りをもち、「できる看護師」を目指す人なら、質が高い(レベルが高い)看護を提供している病院で働きたいですよね。
今日は、3つの基準を用いて簡単に、その病院の看護の質を見分ける方法について解説します!

看護の質(レベル)を見分ける3つの基準

まず最初に、その病院で提供される看護の質(レベル)を見分ける基準は大きく分けて3つあります。

  1. クリニカルラダーを取り入れているか?
  2. パートナーシップシステム(PNS)を取り入れているか?
  3. 看護研究に参加しているか?

日々、看護の質を高めようと努力している病院では、必ずと言っていいほどこの3つを取り入れています。
それでは一つずつ順番に見ていきましょう。

1.クリニカルラダーを取り入れている

主任看護師_にっこり

看護教育に力を入れているかどうかについて、その病院が「クリニカルラダー」を取り入れているかどうかが参考になります。

クリニカルラダーとは?

一言でいえば、看護師の教育を段階的、計画的に行い、技術や知識を学んでいく「能力開発」「評価のシステム」の 1 つです。
2005年頃より看護の現場に登場しました。
「クリニカル」は看護実践を、「ラダー」ははしごを意味しています。

2005年から最近まで、各病院ごとに制度が設けられていましたが、そのシステムを日本国内で標準化するため、2014年から日本看護協会が開発に乗り出しました。
そしていよいよ2016年度、「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」が公表されました。
今後は看護協会のラダーを取り入れる病院が増えると予想されます。

クリニカルラダーで何ができる?

クリニカルラダーの指標を用いて、以下のことが可能になります。

  1. 看護師が自らの能力段階を確認
  2. 自己研鑽に役立てる
  3. 看護師としての将来像を明確化
  4. 人材育成のツール
  5. 人事評価の指標
  6. 地域・在宅領域における教育への活用

 など。

クリニカルラダーでは、看護師の看護実践能力を段階的に表し、各段階において期待される能力を明らかにしています。
その段階への到達度によって「看護師の能力」が客観的に示される画期的なシステムなのです。

クリニカルラダー制度の目的は?

団塊の世代が定年を迎え、少子高齢化による労働力バランスが崩れることで起きる“2025年問題”をご存知でしょうか。
医療費増大、看護師不足、病床数不足、介護施設不足など、様々な問題をひっくるめて「2025年問題」と言われています。
その2025年に向けて、看護師の人数と質の確保が今、日本社会で大きな課題となっているのです。

クリニカルラダー制度を取り入れることにより、看護の質を向上させ、また、教育制度を充実させて看護師のキャリアアップを図り、また、離職を防ぐ目的もあります。

クリニカルラダーの目標設定

クリニカルラダーの目標設定は、まず最初に看護師として求められる技術やスキルを年次によって5段階(ステップ)に分けます。
そして、各ステップで到達すべき具体的目標を設定していくのです。以下に、目標設定の例をご紹介します。

新人→指導を受けながら、基礎看護技術が安全・確実に実践できる
2〜3年目→日常の看護を根拠に基づいて判断でき、一人でも安全安楽に実践できる
4〜6年目→責任ある看護師として、判断力を身につけ行動できる。新人指導を実践できる

などなど。

2.パートナーシップシステム(PNS)を取り入れている

女性看護師二人_キラキラ
他に新人教育に力を入れているかどうか参考になる看護体制に「パートナーシップシステム(PNS)」というのがあります。
これは、2009年に福井大学医学部附属病院が開発したシステムです。

パートナーシップシステムは、2人のナースがペアとなって行動し、患者さんのケアやバイタル測定など全ての看護をペアで行っていきます。
このため新人にとって必ずお姉さん看護師がいるため、一人で不安を抱えたままケアをしたり処置をすることはなくなります。
新人にとって、先輩看護師が行う患者さんへの声掛けやケアの方法を、目の前で見学しながら実践できるわけですから、一年もあれば基本的な看護技術や知識は十分に習得できます。

また、先輩看護師にとっても、パートナー同士の業務を補完し合うことで、より質の高い看護を提供できるメリットがあります。

さらに、看護師だけでなく患者さんにとっても、2人の看護師が関わることで安心感が与えられる、誤薬・誤投与のリスクが減少し安全性が向上する、療養環境の改善がはかれるなどのメリットがあると言われています。

3.看護研究に参加している

勉強会

もう一つ看護のレベルを見る指標に重要なのは「看護研究」に参加しているかどうかです

医療の面で重要視されている点として、臨床だけでなく、その臨床レベルを研究レベルまでに引き上げて統合することが重要です。
臨床が出来ていても、それはその病院内の出来事で留まるだけです。
より、学術的にその臨床の到達レベルをみる指標として、研究論文としてまとめあげ、院外の学会で参加したり、雑誌への投稿など第三者からの客観的な評価をうけることも重要なのです。

日々の業務で、ただでさえ多忙を極める看護師ですから、より高尚な目的意識、仕事に対する誇り、専門職としての向上心がなければ看護研究には取り組めません。
つまり、看護研究に熱心に取り組む病院は、それだけ高い目的意識をもち、看護のレベルアップに尽力し、質の高い看護が提供されていると言えるのです。

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さいごに

介護施設では看護の質が低いと言われることがありますが、決してそうではありません。
介護施設は医療の提供よりも介護の提供が主な目的となっており、看護師よりも介護士の方が圧倒的に多くなっています。つまり、看護の質だけでなく、介護の質の両輪で考えていかなければならないんですね。

ナイチンゲールはその著書『看護覚え書』(1860年)の中でこのように記しています。

看護とは、新鮮な空気、陽光、暖かさ、清潔さ、静かさなどを適切に整え、これらを活かして用いること、また食事内容を適切に選択し適切に与えること、こういったことのすべてを患者の生命力の消耗を最小にするように整えること、を意味すべきである。

看護師として考えるべき「看護の質(レベル)」は決して点滴や投薬、医療機器管理など「診療の補助」だけではありません。
病院では看護助手、介護施設では介護士が担うことが多くなった「療養上の世話」も、患者の自然治癒力を高め、生活により引き起こされる病気を防ぐために必要な「看護の一部」なのです。

看護師である限り、診療の補助だけでなく、療養上の世話という面でもしっかりと質(レベル)を高めていく意識を持ちたいものです。

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