5分でわかる!今、期待されている「特定看護師」って何?

特定看護師

最近、よく言われる「2025年問題」をご存じでしょうか? 高齢者人口の増加に伴う社会保障費の増加もさることながら、少子化の影響からマンパワー不足が懸念されていることです。
そこで厚労省が対策として講じたのは「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」(医療介護総合確保推進法)という新しい法律です。
・・・んんん?少し難しい言葉がでてきて、混乱された方もいるかもしれませんね。
ここではできる限りかんたんにお伝えするのでご安心ください!
日本は、この法律によって、これまでの「医療や介護の枠組み」をかえ、将来起こるであろう問題に対抗しようとしているのです。

公園_社会

将来、高齢者人口は人口比の約30%に達すると推定されています。
高齢人口の増加によって起こり得ることとして、「充分な医療の確保」をいかに維持するか?が課題なのです。
医師の数も限られており、医師の数を増やそう!という動きもあります。
そんな中「医師業務の負担」や「医師不足」に講じる策として国が出した答えが「看護師の業務拡大」だったのです。
まずは「既存の看護師の活躍の場」を増やす事を考えたんですね。
これまで看護師業界では、分野別のスペシャリストとして「認定看護師」や「専門看護師」という資格を設けていました。
これらはもうすでに、ご存知の方も多いですよね。
そこに今回、「看護師の業務拡大」に伴う新たな看護師として「特定看護師」がつくられました。 今回の2025年問題の解決の糸口としても「特定看護師」はとても期待されているのです!

特定看護師ってなに?

はてなと看護師

約60年ぶり(!)に「保健師助産師看護師法(保助看法)」が改正されました。
その内容の中身とは「特定行為を手順書により行う看護師は、指定研修期間において、当該特定行為の特定行為区分に係る特定行為研修を受けなければならない」というものです。
少し難しく感じるかもしれませんが簡単にいうと、この制度によって、これまで医師により行われていた医療行為の一部が、看護師によって行う事が可能となったのです。
その医療行為を行う看護師を「特定看護師」と言います。

特定看護師になるには?研修ってどんな感じ?

法律上は、これまで医師が行ってきた「特定(医療)行為」を、 これからは特定行為の研修を受けた「特定看護師」も行うことが可能となりました。 (例外もありますがここでは触れていません) でもそこで気になるのは、これまで行ってきた特定行為を特定看護師が行うことで 技術の質は保てるのか?というところです。

ここでは、特定看護師になるにはどうしたらいいのか、そして特定行為の質を保つために、指定研修機関ではどのような研修が行われているのかお伝えしますね。

大学

特定看護師は厚生労働省が認める「指定研修機関」で特定行為の研修を受ける事が必要です。
日本では、2015年10月に厚労省から指定された6つの大学院や14の研修機関や病院などがあります。

看護師としての実務経験が5年以上であること、以外にも研修機関別に看護大学卒業であることや、
救命救急の経験が必要であるとか、募集要件に違いがありますので、確認しましょう。

特定行為研修では、医師から直接教育を受けます。

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始めは座学が主であり、具体的には臨床病態生理学、臨床推論、フィジカルアセスメント、臨床薬理学などの医学部のレベルに近い講義を受けます。

特定行為と呼ばれる行為には38種の行為(研修機関によって違いがあります)があるため、その行為を行うためにたくさんの医学的知識が必要です。
このため厚労省からは時間数を確保するように規定され、臨床病態生理学45時間、臨床推論45時間、フィジカルアセスメント45時間、臨床薬理学45時間、特定行為実践45時間などを設けてあります。

座学を学びテストにパスした学生は、そのあと実技演習に進みます。
実技演習を行い、実技試験(OSCE)をパスする事が必要となります。
OSCEとは、医学部でも行われている試験形式であり、実際に疑似患者を診察し、診断に至るまでの過程を、試験者(医師)と疑似患者さん双方から評価を受ける試験のことです。
これら複数の試験をパスした後に、集大成として臨床実習が設けられ、座学で学んだ内容と臨床を統合し実践していく場となっています。
実際にシュミレーターの使用やロールプレイを行い診察技術を磨いていきます。
指導者(医師)の監督のもと、肺音や心音のフィジカルイグザミネーションの演習が行われます。
次に指定機関では年に1回の試験があります。

回答用紙

その試験のレベルは看護師の国家試験と医師国家試験の中間レベルとなります。

試験に合格したら、指定機関の講義や実習などのカリキュラムを経て、 NP協議会などそれぞれの機関が行っている「認定試験」を受けて資格が与えられます。 指定研修機関の講義内容のレベルは、医学部のレベルと変わらないと言われています。 実際に医師から指導を受ける機関もあり、医師の思考を学ぶのです。

特定看護師はこれからどんな活躍をする?

特定看護師が今後活躍する場所として、「病院」以外にも「在宅」や「老人保健施設」など多岐に広がると言われています。
また、患者さんに何か起こった場合に、医師が駆けつけるまでにタイムリーな医療を施す事が可能となります。

具体的には、「手順書」というこんな時にはこう対応するという医師の思考を文章化した手順を元に特定看護師は医療を施します。

このため必要な医療が適切なタイミングで受けられるわけです。
例えばこれまでの在宅医療では、褥瘡の壊死部の除去(デブリ)や脱水時の点滴が必要の場合、医師の診察が必要でそれまで処置や治療までに時間を要しました。
しかし、教育を受けた特定看護師では、手順書をもとにその場で医療行為を行う事が可能となります。

厚労省は、2025年までに特定看護師の数を10万人にするという目標を掲げています。

特定看護師の活躍する場面は広がる一方です!

これから特定看護師を目指す人へのアドバイス

主任看護師_にっこり

これから特定看護師を目指す看護師は多くなるでしょう。

アドバイスとしては研修機関を卒業し、働く場所を考えた上で進学されることが重要です。

卒業後、元々働いていた場所に戻られる場合は、周囲の医師や看護師と信頼関係が構築しやすいため働きやすい利点があります。
しかし、元々の職場を退職して進学する事を考えている方は、卒業後新たに信頼関係を構築し、特定行為を任されるまでに時間を要します。
このため、研修機関の在学中に早めの就職活動をお勧めします。
次に、特定行為を学ぶ上でどうしても「ミニドクター」になりがちなのですが、 特定看護師の基盤は看護です。 臨床現場では指導医の元で働きます。 その時に看護師の視点をもつ特定看護師が、医師では気づかない部分に気づき、患者ケアに活かされることが多くあります。
患者さんの立場を忘れない、看護師の心を忘れないで下さいね。
・・・いかがでしたでしょうか? 「特定看護師」研修の内容についてお伝えしました。
今後、「特定看護師」は時代の流れにそって需要が増えると言われています。
看護師一人一人のスキルアップが、患者さん一人一人の笑顔に繋がるといいですね!

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